社員インタビュー#2 実務翻訳のプロが語る、翻訳の仕事とは(後編)
前回は、翻訳品質管理チームリーダー坂村さんに、TransPerfect(トランスパーフェクト)での働き方についてお伺いしましたが、今回は、翻訳者としてのキャリアについてお伺いしております。
Q. 全く違う業界から転職されたということで、苦労や戸惑ったことはございませんでしたか?
英日翻訳者を目指していたため、まずは母国語ではない英語を学び直すことに苦戦しました。まともに勉強するのは大学受験以来でしたので、エンジニアとして働きながら深夜や休日、お昼休みなど、少しの時間でもあれば語学に費やしていました。
ですが、本当の苦労はそこからでした。やっとの思いで転職を実現しましたが、先輩にかけられた言葉は、「英語よりも日本語を磨きなさい」というものでした。その後は、翻訳学校の先生や先輩に赤を入れてもらう日が続きました。
Q. 確かに。翻訳は英語を勉強するところからはじまりますが、日本語で上手く表現できないと良い文章にならないですよね。
そうですね。英日翻訳の場合、読み物として受け入れられる日本語でなければ厳しいと思います。また、著者として創作するのではなく翻訳者として、原文読者と訳文読者の思い浮かべるものが同一、等価になる訳文を書く必要があります。そのためには、読解力、表現力を鍛え続けなければなりません。
Q. それでは、自分がフリーランスとして翻訳の仕事を請け負うのと、翻訳会社に就職して翻訳する場合とでは、違いはありますか?
様々な側面を考慮できますが、翻訳会社にいる場合、フィルタリングされていない生の情報に触れることになります。それは業界のトレンドであり、お客さまの声であり、最新技術であり、自分の担当以外の情報も自然と入ってきます。
トランスパーフェクトの場合、グローバルに展開する大手企業がお客さまの大半を占めており、さまざまな分野やコンテンツを担当する機会に恵まれています。得手不得手を問わず、あらゆる翻訳に携わる経験はかけがえのないものだと感じています。
また、営業やDTPチームといった他部門の担当者とも話せるため、翻訳工程全体を広く見渡すことができ、利害の衝突する相手から学ぶことも多々あります。
Q. なるほど。個人でも翻訳スキルをおとさない、又はあげるためにやっていることは有りますか?
翻訳関連のセミナーには積極的に参加し、そこで得た知識やスキル チームにシェアしています。また、業界誌の翻訳課題に取り組み、第三者からの評価をもとに自分の訳文を見直しています。
Q. そうした取り組みが会社での仕事に生かせるといいですね。
そうですね。使う語や表現、文体にも時代があると思いますので、常にアップデートし続けなければならないと思います。正直なところ、趣味と仕事が重なっているようなところはありますが、向上心を忘れず、適度な負荷をかけて、スキルアップしていきたいと思います。
Q. これまで、一番苦労した、あるいは印象に残ったエピソードは有りますか?
一昨年担当した大型プロジェクトは、ボリュームもあり納期もタイトだったため、通常とは異なる工程を考える必要がありました。
時間内に文体や訳語を統一する必要があったため、翻訳メモリの内容を更新したり、マクロを導入して正規表現を書いたりと、私にとっては非常にチャレンジングな案件でした。
ですが、皆で協力して無事に納品することができたときには感慨深いものがあり、トランスパーフェクトという環境と素晴らしいチームメンバーのおかげで成長できていると強く感じました。
Q. 今後挑戦したい仕事やポジションは?
翻訳品質管理のチームリーダーとして会社やチームの長期的目標を念頭に置き、翻訳実務だけでなく、人材育成やお客さまとのコミュニケーションなどにも積極的に携わりたいと考えています。
初心を忘れず、「翻訳」という仕事、そして「言葉」に敬意を払い、背を向けない仕事をしたいと思います。
Q. 仕事の後や休日はどのように過ごしていますか?
小学生の子どもがいるので、宿題をみたり、一緒に遊んだり、行事に参加したりしています。また、仕事に全力集中した後は、学生時代から続けているギターを練習する日も多々あります。ある程度まとまった時間がないと難しいことかもしれませんが、幸いワークライフバランスをとりやすい会社ですので非常に感謝しています。
■トランスパーフェクトでは一緒に働く仲間を募集しています■
トランスパーフェクト・ジャパン合同会社では、現在制作・営業・カスタマーサービス等の複数ポジションで採用をおこなっています。
グローバルな環境で、ローカライズや多言語展開の大規模プロジェクトに関わりたい方、トランスパーフェクト・ジャパン合同会社に興味を持たれた方は、求人情報から直接応募いただくか、jobs@transperfect.comまでお問い合わせください。
坂村尚紀
早稲田大学卒業後、システムエンジニアとしてコンサルティングファームに勤務。その後、複数の外資系翻訳会社でプロジェクトマネージャー、社内翻訳者を経験。2017年、Quality Managerとしてトランスパーフェクトに入社。
【トランスパーフェクトについて】
TransPerfectは、世界最大の言語サービスおよびテクノロジーソリューションプロバイダーとして、グローバル企業をサポートしています。ニューヨークにグローバル本社、ロンドンと香港に地域本社を置きながら6大陸100以上の都市に拠点を展開し、世界中のお客様に向け、170以上の言語で幅広いサービスを提供。TransPerfectのGlobalLink®テクノロジー(https://globallink.translations.com/ )は、5,000社以上のグローバル企業で採用され、強力かつシンプルな多言語コンテンツ管理を実現しています。品質と顧客サービスに徹底的にこだわるTransPerfectは、ISO 9001およびISO 17100 (https://www.transperfect.com/about/certified)への完全準拠の認証も取得しています。TransPerfectはニューヨークにグローバル本社、ロンドンと香港に地域本社を置いています。詳細については、弊社ウェブサイトhttps://www.transperfect.com/ja/home をご覧ください。