文献モニタリングプロセスを自動化する理由
製薬会社にとって、自社製品や一般市民に影響を与えうる内容についての文献が公表された際にきちんと把握することが大切です。
そうした出版物は分量が非常に多い場合もあり、さまざまな情報源から、数多くの文書を取捨選択することが求められます。このような文献の検索と選択は比較的短いスケジュールで、厳格な報告要件に従って行う必要があります。
たとえば、EUでは、文献モニタリングプロセスは厳格に規制され、検索は毎週実施されています。EMA(欧州医薬品庁)は、一部の有効成分について、重複を回避し、データの完全性を高めるために、複数のライセンス所有者に代わって検索を行っています。しかし、国内におけるモニタリングに関しては、複数の言語に及ぶ公表文献が、異なる頻度で大量に公開されることから、対応が遅れないようにするため、多くの製薬会社は苦慮しています。
さらに、既存のモニタリングプロセスでは、多大な時間を要するだけではなく、医薬品安全性監視のベストプラクティスに準拠できなかったり、それによって高額の罰金や製品の市場撤去を招くリスクがあるかもしれません。しかし、人工知能(AI)と機械翻訳(MT)テクノロジーを活用することで、製薬会社は煩雑で複雑なプロセスを自動化し、これらの課題に対処できるようになります。
文献モニタリングプロセスの自動化で得られる5つのメリット
スピード – 検索と選択プロセスを自動化することで、手動の作業とモニタリングに要する時間を最大85%削減できます。これは、1週間当たり約2時間に相当します。
柔軟性 – ワークフローを、現地のマーケティング要件に基づいてカスタマイズできます。つまり、国内レベルや国際レベルの要件に合わせて、どの言語でも、公表文献をクローリングできます。特定の安全情報をあらゆるレベルで正確に把握することで、データの品質を高め、患者のフィードバックを強化できるようになります。
拡張性 –文献モニタリングプロセスは、すべての文書タイプをサポートし、複数の国の要件に対応するよう簡単に拡張することができます。刊行頻度の低い公表文献や多言語に取り組む場合でも、さまざまな報告の要件を円滑にする文献モニタリングプロセスを導入することには価値があります。
翻訳効率性 – AI/MTを活用することにより、報告に関連した過剰な翻訳やフォーマットのためのコストを担当部署で削減できます。さらに、AI/MTは最大80%の精度を実現し、ポストエディットの必要性も抑えます。
セキュリティ – 機密性の高い安全性情報を扱う場合、21 CFR Part 11(連邦規則第21条第11章)に準拠した完全な監査証跡機能を搭載するシステムを使用することが重要です。これにより、有害事象を誰がチェックしたかを担当部署で確認し、特定してから、グローバルの安全性チームに報告するまでの文書のアクティビティをすべてモニタリングできるようになります。
自動化された文献モニタリングプロセスの導入は、自社製品について言及されているあらゆる内容を製薬会社が常に把握できるようにするための重要なステップです。報告スケジュールの効率化、精度、セキュリティ、スピードを向上させるため、AIと翻訳テクノロジーを組み合わせたエンドツーエンドの多言語の症例データ処理システムの活用をご検討ください。
文献モニタリングパートナーの選択
文献モニタリングのための効果的なワークフローを導入するための第一歩は、コンプライアンス要件や厳しい報告期限を十分に理解している経験豊富なベンダーとの強固なパートナーシップを築くことから始まります。担当部署とキーワードの要件、用語、検索条件について話し合ったうえで、それらを明確にし、検索結果を最適化し、精度を保証することができるベンダーが理想的といえるでしょう。さらに、文献モニタリングを既存の医薬品安全性監視に統合することで一元化されたプロセスと一体型のソリューションを実現すれば、報告の一貫性と精度をさらに高めることができます。
TransPerfect Life Sciencesの文献モニタリングサービスは、国内の公表文献検索と通知を自動化し、チームの効率を高め、医薬品安全性監視のガイドライン(GVP)を確実に遵守します。弊社のテクノロジーは、文献レビューを一元化し、必要なアクションを特定して、お客様のバックエンドシステムとシームレスに統合することで、翻訳管理やコンテンツの提出と配信を容易にすることができます。
お客様の文献モニタリングを効率化する弊社サービスの詳細については、お気軽にお問い合わせください。