ゲームローカリゼーションとゲーム翻訳の違い-トランスパーフェクトの熱意
翻訳会社である私たちにとって、何よりも幸せな瞬間は、良い作品が成功を収め、その成功の中に、自分たちのゲームローカリゼーションの技術や専門性が生きていることを実感したときです。ゲームローカライゼーションはゲーム翻訳と同義に捉えられがちですが、サービスの本質は全く違います。弊社のゲームローカライゼーションチームは仕事をこよなく愛するがゆえに、その違いの説明すら割愛してしまいがちですが、今回のブログではこの2つのサービスの基本的な違いについて簡単に説明し、皆さんに知っていただけるようご案内したいと思います。
翻訳とは、ソース言語で使われている言葉に相当する言葉をターゲット言語の中から探し、たとえば英語の"hello"というワードを、別の言語で"hello"という意味に置き換える作業です。一方のローカリゼーションは、翻訳作業を含みつつ、言葉を置き換えるだけの翻訳よりもはるかに多くのものが含まれる概念です。とりわけ、ビデオゲームの世界においては、ゲームをローカライズするには、ゲーム業界、国ごとの文化的な独自性や特徴、ゲーム文化といったものまで、深く理解していなければなりません。たとえば、先ほどの"hello"という台詞をローカライズしようと思えば、背景となる文脈全体(場面や周辺状況、トーンなど)を考慮した上で、別の言語で"hello"にあたる表現のバリエーションの中から、適切なものを選択することになります。
ゲームのローカリゼーションという作業には、ゲームという媒体に完全に没入していること、ネイティブスピーカーであること、ビデオゲームという体験の中で言語が果たす役割の大きさを深く理解していることが求められるのです。では、このような没入感や深みを実現するにはどうすればよいのでしょうか?
人間とテクノロジーが両輪に
およそあらゆる言語を扱う上で、替えが効かないのは、正統な言語を習得しているネイティブスピーカーです。つまり、その言語を知り尽くしており、さらに現地言語の最新のトレンドにも通じている人材です。年間1億5,000万語以上のゲームコンテンツを翻訳することを考えた場合、こうした言語能力は何よりも重要であると私たちは確信しています。質の高い人材が取り組んでこそ、一語一句をおざなりにせず、その語句でなければ表現できない概念をローカライズできるのです。
ローカリゼーションでは文脈がカギとなります。多様性に富んだ熱意あふれるチームが作業に取り組むことで、効率的にあらゆる国の文脈を理解し、リアルタイムに適応できるようになります。弊社は、コンピュータ支援翻訳ツール(CAT)からローカリゼーションのワークフローを自動化する独自のGlobalLinkテクノロジーまで、さまざまなツールを活用しています。
ゲーマーを理解し、ゲームを理解する
新たなメンバーをチームに迎えるとき、パーソナリティ面で私たちが何よりも重視するのは、ゲーム業界への愛着や情熱の深さです。新しいチームメンバーがローカリゼーションの分野で優秀なプロフェッショナルであることはもちろん重要ですが、ゲームへの情熱がなければ、どんな精鋭でもトップレベルの仕事をすることはできないからです。熱狂的なゲーマーが活躍するチームだからこそ、私たちのローカリゼーションサービスはこれまでにないレベルの深みに到達することができます。私たち自らがゲーマーとなることで、作業するゲームの世界に入り込み、そのゲームの中で生きることで、一層充実した体制を実現しています。ゲーマーとして、ゲームの世界の内側で、微妙なニュアンスまで理解できるからこそ、テキストの字面だけにとどまらず、ゲームの世界の中で求められる要素を余すところなく表現するために、最も適した形で言語を利用するということを成し遂げられるのです。
たとえば、アドベンチャーゲームに出てくる「なぞなぞ」について考えてみましょう。言葉をただ翻訳するだけなら特に難しくはありませんが、なぞなぞはそもそも相手をミスリードすることも目的に含んでいるため、直訳ではむしろ間違いになる恐れがあります。ゲームの世界観を本当に理解していなければ、なぞなぞとしての効果を十分に発揮させることはできないでしょう。また、適切にローカライズされていない要素があると、ゲーマーはその部分について確信を得られないまま引っかかってしまう可能性があり、その場合はユーザー体験が悪化します。要するに、ゲーム内世界を理解することは、プレイヤーが属する文化を理解することと同じように重要なのです。
長期的なパートナーシップを構築する
弊社のお客様であれば必ずご存じの通り、弊社は協働するあらゆる取引先と長期的なパートナーシップを締結したいと考えています。業界大手による円熟の作品であれ、ベンチャーの処女作であれ、ゲームに貴賤はありません。開発元と強い絆を構築し、そのゲームのあり方に関するご要望を常に深く理解しておくことが、効果的なローカリゼーションに欠かせない要素です。
こうした考えのもと、私たちは開発元と密に連携し、ローカリゼーションのあらゆるステップにおいてインプットとフィードバックのサイクルを繰り返すことで、開発元のアイデアを正確に、意図通りに伝達できる体制を構築しています。ただテキストだけを文脈から切り離して翻訳するゲーム翻訳というアプローチを、私たちは採用しません。ひとつひとつのプロジェクトに深く入り込むことによって、40種類以上の言語で、ゲームの世界に新たな生命を吹き込むお手伝いをしています。
お問い合わせ先
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