検索キーワードを翻訳してはいけない理由
地域によるニュアンスの違い
国によって言語が異なるように、類似した製品やサービスであっても、ユーザーがオンラインで検索する方法は様々です。同じ言語を共有する国々でさえ、ユーザーが類似製品を検索する方法は大きく異なります。
米英「ランニングシューズ」検索ワード比較
例えば、あなたがシューズメーカーで、新しいランニングシューズを販売しようとしているとしましょう。アメリカで販売するなら、「sneakers」と検索するユーザーの興味を引くようにウェブページを最適化する必要があるかもしれません。
「sneakers」はアクセス数が非常に多いキーワードであるだけではなく(下記のアクセス数予測を参照)、アメリカ市場でユーザーが実際に使用している単語です。
同じくシューズメーカーを例にとり、今度はイギリスをターゲット市場として考えてみましょう。下の表からも分かるように、「trainers」が最頻出のキーワードであり、コンバージョンにつながる重要なアクセスも「trainers」から最も多く発生しています。従って、「trainer」という単語に合わせてウェブページを最適化することで、2倍以上のアクセス数とより高いコンバージョン率を得られる可能性があります。
文化とキーワード間のバランス
このように、ユーザーがオンライン検索を行う方法(とりわけ、検索バーに入力する言葉)は、ユーザーが暮らす地域の文化に直接的な影響を受けています。
検索機能を使い始めた当初、私たちは検索エンジンの思考を予想し、その予想を基に検索を行っていたのではないでしょうか。
一方で、Googleやその他の検索エンジンは進化を続け、次第にユーザーの検索方法を学習し始めました。これにより、検索エンジンはユーザーがスラングを含む様々な言葉や表現を使用してオンライン検索するときに、その意図を完全に理解できるようになったのです。
問題は、検索キーワードを機械翻訳だけで対応しようと試みた場合、たいていの機械翻訳ツールが、「文化による言葉の変化を考慮しない、あるいは文化への適応により多くの時間を要する」ということです。個人ユーザー部門では世界最大手の機械翻訳でさえ、表現やスラングの文化的なニュアンスに適応するには時間がかかります。単純に機械翻訳を利用することでは解決しなく、これこそグローバルSEO対策の専門家が日々取り組まなければならない問題なのです。
事例:国による検索ボリュームの違い
一部の単語や表現は、国境を超えて共通認識を確立しているかもしれません(例えば「reasonable=リーズナブル」や「strong=強い」という単語)。しかし、それが現地における適切な検索ワードを反映しているとは限りません。
当社のパートナーであるWebcertainも、国際ホテルチェーンとの仕事の中でこのことを実際に経験しています。依頼内容は、ターゲットとなる検索キーワードを英語からフランス語に直接翻訳することでした。その際Webcertainは、検索ボリュームが少なく、効果を保証できない可能性があることを主な懸念事項としてクライアントに伝えました。
検索キーワードを単純に翻訳した場合、検索ヒット件数は非常に少なくなります。キーワード調査を徹底的に行わないことにより、時間と労力を節約できますが、アクセス数の減少につながる可能性が高く、その結果売上にも影響がおよんでくることが予想されます。 このホテルの事例は、単純な検索キーワードの翻訳と比較して、効果的なキーワード調査がいかに重要であるかを示していると言えます。
結論
検索キーワードを翻訳する際の課題は、現地に則したニュアンスを効果的に理解しなければならないこと、ユーザーの検索方法を正確に反映すること、そしてこれらができないことにより、多くのアクセス数を獲得するチャンスを逃してしまうということです。
今後の記事では、「多言語間におけるキーワード設定を行うにあたって効果的な方法」を紹介します。ユーザーに適した方法を追求するというGoogleの信念は、あなたが最適化を進める際の道標となるでしょう。
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