翻訳の正確性と高品質を担保しながら、効率的にコンテンツを多言語展開する3つのポイント
グローバル企業の成功には、コンテンツの多言語展開が欠かせないものになっております。また、コンテンツの量や翻訳する言語の数は、ビジネスの成長と並行して増加する傾向にあります。
【多言語展開における共通の課題】
しかし、コンテンツの多言語展開においては、様々な業界の企業が直面する「共通の課題」がいくつかあります。
例えば、
・コンテンツのレポジトリ(保管場所)が多数存在すること
・複数の翻訳会社を管理する必要があること
・コンテンツの多言語展開に費やせる時間と予算が限られていること
・対応する言語数やマーケット数が複数存在すること、
・多言語コンテンツの管理や翻訳プロセスが部門ごとに独自で行われているため、多言語コンテンツを部門または国をまたいで全社的に使用することができない、などです。
結果、言語によって統一性のないコンテンツが作成され、使用されています。
【3つのポイント】
では、これらの課題に対して、どのような解決策が有効なのでしょうか? ここでは、コンテンツの多言語化を成功させる3つのポイントをご紹介いたします。
コストと品質をコントロールしながらも、手作業や重複した作業を出来るかぎり減らし、多言語化されたコンテンツの市場投入までの時間を短縮させることが実現できる、3つのポイントです。
1.翻訳プロセスを企業内で統一
まず、多言語コンテンツが作成される過程で重要なプロセス、そして各工程のキーパーソンを特定しましょう。
次に、各工程における不可欠なプロセスを文書化し、共通項を有するプロセスの概要を記載してください。
続いて、各プロセスで必要とされる作業項目を確認し、各プロセス独自の要件に対応できるよう、これらの作業項目をサブプロセスとして追加します。
これにより、企業内で統一した翻訳プロセスを確立することができます。
2.翻訳プロセスをできる限り自動化する
最初に、多言語化を行うにあたり必要不可欠なプロセスをリストアップします。 次に、その中で自動化が可能なプロセスを特定しましょう。
通常の翻訳プロセスにおいては、外注先の翻訳会社が実施するプロセスを含み、20~25の手作業によるプロセスが存在します。しかし、最新の翻訳テクノロジーを活用することで、プロセスを自動化することができます。 これにより、翻訳プロセス全体で手作業を必要とするプロセスを5つほどに減らすことが可能となり、完成まで数週間かかっていた時間を、数時間、数分へと短縮することができます。機械翻訳(MT)が適切であると判断されたコンテンツを翻訳する場合には、必要となるプロセスをさらに減らすことができます。
なお、翻訳の自動化に適した手作業のプロセスの例としては、「コンテンツのエキスポート」、「リポジトリ(保管場所)やリソース間でのコンテンツの送受」、「過去に翻訳済みのコンテンツの再利用」、「引用分析」、「翻訳会社の選択」、および「コンテンツのインポート」などがあげられます。
3.言語資産の一元管理
用語集やブランド・スタイルガイド、翻訳メモリ(対訳データベース)をなどの「言語資産」を手作業で管理することは、とても煩雑で工数がかかる作業となります。一方で、これらの言語資産が常に最新のバージョンで活用されていること、また企業内で承認がされた内容になっていることは、コンテンツ多言語展開の成功に欠かせません。
また、言語資産を実質的に所有しているのが社内であっても、多くの場合、翻訳会社がこれを管理しています。このように複数の企業にまたがって、言語資産を管理する場合は、翻訳管理システムを使って管理することで、プロセスの効率を劇的に改善できるだけでなく、翻訳に必要なリソースを柔軟に使い分けたり、コスト管理に掛かる手間も大幅に削減したりすることが可能です。
結論
上記の3つのポイントを活用することで、社内の翻訳プロジェクト管理を合理化し、多言語コンテンツの市場投入までの時間を短縮することができます。また、プロセスの拡張性を改善することも可能です。急速に変化する海外マーケットで成功するためには、効率的かつ正確性を担保できる、多言語コンテンツの管理体制を構築・運用することがとても重要です。
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