翻訳管理システムを効果的に導入する際に押さえておくべきポイントとは?
イントロ
5,000社以上のグローバル企業で採用され、効果的かつシンプルな多言語コンテンツ管理を実現するトランスパーフェクトのGlobalLink®テクノロジーの導入効果を示すデータとして、このほどForrester社による調査資料「The Total Economic Impact Of TransPerfect GlobalLink」が公開されました。こちらからダウンロードが可能です。
この資料によると、GlobalLinkを導入した2つの組織を対象にForrester社が3年間の財務分析を予測したところ、3年間のNPV(正味現在価値=投資によってどれだけの利益が得られるのかを示す指標)は291万ドル(約4億2800万円)、投資利益率(ROI)は522%が見込めるとの結果が出ています。
この検証を踏まえて、今回は効果的な翻訳管理システムの導入とはどういったものなのか、またどんな翻訳プロジェクトやニーズをお持ちの企業様が導入すべきなのか、といったテーマで解説していこうと思います。翻訳管理システムの導入を検討している担当者様が自社の翻訳プロジェクト管理に翻訳管理システムの導入を検討される際に、確認するポイントの一覧としてご利用いただければ幸いです。
効果的な翻訳管理システム導入とは
翻訳管理システムの導入がもたらすベネフィットとは、大きく分けると下記の3つの軸になります。
① 手作業だったタスクの自動化とツールによるサポートがもたらす業務効率化と生産性向上化
② 翻訳メモリの利用による翻訳コストの削減
③ 翻訳プロジェクトのデータの見える化によるメリット(翻訳の納品にかかる時間や翻訳ボリューム、翻訳メモリによるコスト削減率など)
ただし、全ての翻訳プロジェクトが翻訳管理システムの導入によって高い投資効果を上げられるわけではありません。翻訳管理システム導入のベネフィットを最大化できるかどうかは、翻訳プロジェクトの規模や翻訳方法など、翻訳プロジェクトの要素によって左右されます。効果的な翻訳管理システムの導入の条件として、下記のポイントを押さえておく必要があります。
• 翻訳プロジェクトの規模
翻訳管理システムの導入にあたり、自社の翻訳プロジェクトの規模がどれくらいであるか確認しておくことは非常に大切です。
翻訳プロジェクトの規模を構成する主な要素は、翻訳対象の言語数や対象コンテンツのボリューム、また翻訳案件の数などです。翻訳管理システムを利用すると、管理する翻訳案件数が多ければ多いほど管理コストが下がります。また、翻訳対象が増え続けることで、中長期的に翻訳メモリの再利用率が上がり、翻訳コストが削減されていきます。
今回の調査資料「The Total Economic Impact Of TransPerfect GlobalLink」では、管理対象となる案件が年間300以上、3年間で1100以上になる事例が紹介されていますが、これは翻訳管理システムの導入効果を明確に示していると言えるでしょう。
• 翻訳の方法
翻訳の方法は複数ありますが、自社に適した方法を検討しておく必要があります。人間翻訳だけではなく、機械翻訳や機械翻訳ポストエディットといった複数の翻訳方法を利用する場合、コンテンツに合わせて柔軟に翻訳方法が選択でき、翻訳費の削減も可能になります。The Total Economic Impact Of TransPerfect GlobalLinkでは、会社組織全体でGlobalLink上での機械翻訳の利用を拡大したことで、高コストな人間翻訳の代替手段として定着させた成功例が紹介されています。
• 翻訳会社の管理
グローバル企業の場合、言語や国によって、担当する翻訳会社が異なるなど、翻訳会社の複雑な選定プロセスが発生します。翻訳管理システムを利用すると、複数の翻訳会社を利用している場合の管理コストが下がるというメリットがあります。また、翻訳管理システムは翻訳会社の選定や見積の管理など、翻訳会社の管理にまつわる複数の工程を自動化します。例えば、GlobalLink Suiteを用いると言語ごとに複数の翻訳会社登録が可能になり、合見積もりなども自動ワークフローによって簡易化されます。
また、GlobalLinkの翻訳メモリサーバーに蓄積された翻訳メモリを複数ベンダーが参照できるので、翻訳コストの削減効果は最大化されます。コミュニケーションも全てオンプラットフォーム上で進められるので、プロジェクト運用の工程も大幅に削減されます。実際に、The Total Economic Impact Of TransPerfect GlobalLinkの調査結果では、複数の翻訳会社がGlobalLink上で一元管理された翻訳メモリを参照・登録をすることで翻訳費が削減され、また翻訳会社とのやり取りが自動化されたことで80%ものプロジェクト管理の時間が削減されたとのデータが出ています。
• 翻訳工程
翻訳管理システムを利用すると、複雑な翻訳ワークフローやコンテンツによって異なるワークフローがあるほど管理コストが削減され、翻訳管理システムによる管理のメリットを享受できるようになります。例えば、Webサイトのコンテンツやカタログコンテンツといった異なるファイル形式によって翻訳の方法やレビューの回数などが異なる場合、翻訳管理システムを用いてコンテンツに合わせた柔軟なワークフローを設定することで、管理コストが下がります。
The Total Economic Impact Of TransPerfect GlobalLinkで示されたデータによると、GlobalLink Suiteのワークフローにより、翻訳プロジェクトにかかった時間は平均で3分の2に短縮されています。つまり、3週間が必要だった翻訳プロジェクトなら、1週間以内に完了することになるわけです。
様々な規模のプロジェクトに合わせたGlobalLinkソリューション
弊社のGlobalLink Suiteは、こうした規模の大きな翻訳プロジェクトにおいて投資対効果が高くなります。ただ、翻訳プロジェクトといっても様々な規模があり、実際のところ上記に挙げたような規模の翻訳プロジェクトはまだ日本の市場には少ないのが現状です。このためトランスパーフェクトでは、世界中の様々な企業様のあらゆる規模やニーズに合わせたソリューションを用意しています。
例えば下記の翻訳管理ツールによって、プロジェクト単位で翻訳管理を効率化させることが可能です。
• すべての翻訳プロジェクト管理作業を一元化するTransPort
トランスパーフェクトに翻訳依頼をいただくクライアント様の翻訳案件の管理について、翻訳案件の発注や進捗状況、納品スケジュール、見積の承認など、すべての翻訳プロジェクト管理作業を一元化するソリューションです。またTransPortは、クラウドストレージサービス「Box」や支出管理のクラウドプラットフォーム「Coupa」との連携も可能なので、すでにお使いのシステムからボタン一つでトランスパーフェクトの翻訳チームに翻訳を依頼できる点も、グローバル企業に選ばれる理由です。
• AI Portal
ニューラル機械翻訳エンジンを用いることでテキストやドキュメントの機械翻訳をかけられる、トランスパーフェクトが開発したソリューションです。標準で25のファイル形式と40の言語に対応しています。また「TransPort」と連携が可能なので、コンテンツに応じてポストエディットが必要な場合にはボタン一つで「TransPort」上の案件作成ウィンドウが開き、ポストエディットの翻訳案件を出すことが可能です。
• 特許翻訳専用のポータルPatent Portal
「Patent Portal」は特許翻訳専用の翻訳管理ポータルです。必須項目にはフィールドが用意されており、ボタン一つでトランスパーフェクトの特許専門の翻訳者に翻訳依頼を送ることが可能です。ユーザーフレンドリーなダッシュボードで特許翻訳の進捗状況やファイルを一元管理することも可能になっています。 シンプルで使いやすいインターフェースによって、複数の翻訳案件を1か所で管理できるので、複数の特許翻訳を管理する場面において強い味方になります。
最後に
最後まで読んでいただきありがとうございます。今回は効果的に翻訳管理システムを導入する為の確認ポイントと、トランスパーフェクトがもつ様々な規模で利用可能なソリューションについて説明させていいただきました。翻訳管理システムの導入をご検討中の方、またGlobalLink製品についてもっと詳しく知りたい、デモをご希望といった方はぜひこちらから気軽にご連絡ください。