吹き替えやボイスオーバー、字幕、CCの違い。視聴者エンゲージメントの成否のカギ
なぜ用語理解が重要なのか?
あなたがメディアを制作している場合でも、視聴する側であっても、提示される情報は、内容を正確に伝えるものであってほしいと考えるでしょう。例えば、誰かがゆっくりと川の中に歩いて行く場面を思い浮かべてください。次に、同じことをしている場面に音声が入っていると想像してみましょう。ゾッとするような場面ですか。ロマンチックですか。それとも不吉なムードでしょうか。こうした映像と音声は、映画を印象深いものにする重要な要素です。(アバターやインセプションなどを思い出してみましょう)。そして、これらは吹き替えや字幕などのローカリゼーションサービスを利用する際に、そのままの状態にしておく必要があります。
さらに、一部の国では、視覚障がい者や難聴者、聴覚障がい者をサポートするために、補助支援やサービスの提供を義務付ける規則や法律が定められています。また、特定の言語の配信をすることが法律で決められている国もあります。
音声上の違い
ボイスオーバー
ボイスオーバーとは、その名の通り、音声をコンテンツや別の音声の上に重ねる手法です。ナレーションのようなものだと考えてください。ドキュメンタリーやニュースの映像はボイスオーバーが使用されるわかりやすい例ですが、これにはさまざまなスタイルがあります。例えば、インタビューを受けた人が外国語で話をしているニュースの一コマを見ていると、アンカーがその音声にナレーションを重ね、状況を説明する場合があるでしょう。
ドキュメンタリーの場合は、より表現力豊かなトーンになります。翻訳されたボイスオーバーを使用して、視聴者をストーリーに引き込みます。
吹き替え
吹き替えは完全なローカライゼーションです。オリジナルの音声はビジュアルの要素から消去され、プロの声優が、オリジナルのトーンを維持しながら、ローカライズされた言葉で台詞を再現します。口パクを思い浮かべてみてください。ローカライズされた言語で口パクを行うわけです。
トランスパーフェクトの吹き替え部門統括者がこちらの動画で詳しく解説しています。ぜひご覧ください:https://www.youtube.com/watch?v=LvlVSBompds&ab_channel=TransPerfect
視覚的な違い
字幕
字幕は、聴力があっても、元のコンテンツで話されている言語のネイティブスピーカーではない視聴者向けに制作されます。例えば、お気に入りの番組で、ストーリーと演技が好きでも、俳優が話している言葉が分からない、というような場合を思い浮かべてみましょう。字幕は俳優が話していることをそのまま翻訳し、言葉のやり取りのみにフォーカスします。要するに、話す言葉がすべてであり、字幕に演技の要素はありません。外国で制作されたドラマや映画でも、字幕があれば、視聴者が理解できる言語や出身地に関係なく、動画のストーリーを理解できるようになります。
キャプション
キャプションは、聴力障がいがある人、あるいはより詳しい背景説明を必要とする人を支援することを目的としています。例えば、誰かが森の中を歩いている映像で、「落ち葉がカサカサと鳴っている」というキャプションを表示します。登場人物が話をしている時には、キャプションでその人の名前(例えば[ブレット])と表示します。一般的に、キャプションは字幕より詳細で、視聴者により多くの情報を伝えます。
キャプションには2つの種類があります。クローズドキャプションとオープンキャプションです。主な違いは、動画ファイルの中にキャプションがあらかじめ用意されているか、別のトラックに乗せられているかという点です。オープンキャプションは、コンテンツの一部に組み込まれているため、常時表示されます。一方、クローズドキャプションはオンとオフの切り替えが可能で、インターフェースによってはフォントのサイズや色などをユーザーが変更できる場合もあります。
これらの知識があれば、最終製品を視覚化するベストな手段を判断できるでしょう。問題は、ローカライズするかどうかではなく、どのようにローカライズするかなのです。
他のコンテンツとは一線を画す、一流のコンテンツを制作することは、ブランドのプロモーションに大きく寄与します。MediaNEXTでコンテンツにこれらのサービスを追加する方法を知りたい方は、ぜひ弊社にお問い合わせください。