動画コンテンツのローカリゼーション戦略を策定するには
コンテンツクリエイターは、幅広い視聴者に届くコンテンツを制作したいと考えています。視聴者数が増えるほど、効果が高まる可能性が高いからです。
世界中の人々の心に響くコンテンツを制作するには、ローカライズして、人々が理解できる言葉で伝える必要があります。
社内でも社外でも、チームが、どのコンテンツをまずローカライゼーション対象とするかを見極める選球眼を持つことが不可欠です。
では、戦略的な視点から、どのコンテンツをどの市場向けに選ぶべきかをどうすれば判断できるでしょうか。別の言い方をすれば、ローカライズしたコンテンツに対して、どのようなビジョンを持っているかということです。
動画コンテンツのローカライズ
動画アウトプットは日々新記録を更新しており、勢いが減速する兆しはありません。
実際、現在動画コンテンツを活用しているマーケティング担当者の94%が、今後も継続しようと計画しています。
ローカライズする動画コンテンツを選定する際に検討するべき当面の課題をいくつかご紹介します。
1) どの市場が最も関心を寄せているか?
これは、どの市場がローカリゼーションを求めているかという問いとは異なります。市場のニーズを確認できた頃には手遅れになっている場合があります。その時点では、あなたのクライアントは社内でイライラを極度に募らせているか、競合他社に乗り換えているかのどちらかです。入念に調査を行い、どこにリソースを集中するかを決定することが重要です。
2) これらの市場に最も関連性の高い動画はどれか?
誰が最も強い関心を示しているかを特定できれば、適切な資産に注力することが重要になります。例えば、スペインで飛ぶように売れている商品があるとします。そのような場合、単純に視聴者が多くなる南米のスペイン語にフォーカスするのではなく、スペインのスペイン語に対応するブランディング動画を作ることを重視しましょう。
3) 関連する資産とは?
重要なことは、全体的な消費者のエクスペリエンスを考慮する必要があるという点です。社外でも社内でも、動画のローカリゼーションの取り組みだけを切り離して検討することは避けたいでしょう。顧客の購買までのジャーニーを考えてください。ローカリゼーションの取り組みで、動画エクスペリエンスの前(そして後)について考慮するべきです。そして、それに合わせた戦略を策定するのです。
ローカライズの方法
どのコンテンツを優先するかという方針が決まれば、どの種類のローカリゼーション戦略を採用するかを決定する必要があります。
実際、 YouTubeにおける動画視聴 の84.6%は、非英語圏のユーザーが占めています。さらに、米国国内居住者の約22%が、 家庭内で外国語を話しています。言い換えれば、タッチポイントは影響力があるとともに、国際的でなければなりません。検討するべき戦略のいくつかを以下にご紹介します。
1) 字幕
字幕は動画のローカライゼーションで最も一般的な手法です。コスト効率の高いメカニズムで、SEOやインデックス化にも適しています。また、大規模な要件で、高く推奨されるワークフローでもあります。規模が拡大すれば、MAM統合や、コンテンツの取り込みと管理を自動化する技術を検討することになるでしょう。
また、現在のシステムがどの種類の字幕ファイルをサポートしているかを判断することも重要です。多くのシステムが、SRTやVTTなどのフォーマットの取り込みに対応しており、資産管理のオプションをさらに効率化させます。
2) ボイスオーバー – 場合によって
企業のお客様は、ボイスオーバーに適したコンテンツの絞り込みを検討する必要があります。ブランディング動画や、オンスクリーンの映像がある複雑なトレーニング資料、高度なブランドイメージを反映したコンテンツは、ソースコンテンツのルック&フィールと完全に一致するように、英語版を完璧にコピーしたコンテンツの制作を検討するべきです。
市場によっては、ボイスオーバーがより好まれる場合があります(フランスが顕著です)。読解力に大きな幅があることを意識する必要がある場合、ボイスオーバーは大規模にメッセージングを展開するための優れたオプションとなります。
3) 人工知能(AI)ベース、人間による翻訳、またはハイブリッド – 状況次第
ここでは、視聴者の特性、可視化レベル(社内および社外)、特定の言語が大きな判断材料となります。想定される資産のボリューム、コンテンツの洗練度、そして翻訳戦略の複雑性も、この決定を左右します。例えば、一般的な取扱説明動画や、直接的なメッセージを含む長文のトレーニングコンテンツなどの場合は、人工知能(AI)ベースのワークフローが最適かもしれません。一方、高度にクリエイティブで微妙なニュアンスを含むメッセージに対して、人工知能(AI)ベースのワークフローを推奨することはできません。
これは、コンテンツローカライゼーションの取り組みに関して緻密に計画されるべき事項の最初の部分にすぎません。その他のファクターも検討することになるでしょう。コンテンツをリリースするタイミングや、コンテンツが表示されるプラットフォームは極めて重要です。しかし、最も重要なことは、ビジョンを持つことです。プランを策定し、それに応じて資産を関連付けます。コンテンツライブラリーを訪れ、最も使用頻度の高い資産をただ翻訳して、着手しても、成功は保証されません。KPIに基づいた綿密なローカリゼーションのアプローチを採用することが、成果につながります。
トランスパーフェクトの MediaNEXT は、コンサルタントとプロフェッショナルサービスチームを融合し、お客様が動画ローカリゼーションに関する決定を行うための戦略的なアプローチを採用できるよう支援します。 詳細は弊社にお問い合わせください。