メディカルアフェアーズにおけるグローバルコンテンツの再利用とオムニチャネルでの配信に関して、CCMSがお手伝いできる4つのこと
【メディカルアフェアーズ業界におけるDX】メディカルアフェアーズ業界には患者を中心とした医療(ペイシェント・セントリシティ)の新しい時代が訪れており、そこでは幅広いデジタルトランスフォーメーション(DX)の波が訪れています。
こうしたなか、製薬企業が医薬品の開発や患者の医療体験、安全基準の改善を検討するあたっては、患者の転帰などの重要な医療情報を効率的に関係者に届けられるよう適応していかなければなりません。
オムニチャネルでの医療戦略を推進するにあたり、メディカルアフェアーズのスペシャリストはコンテンツを再利用することでユーザー体験を個別に作り上げ、直感的でそれぞれに合ったものにすることができます。これは患者や認証機関、医療供給者などの対象を問いません。
グローバルでオムニチャネルでのコンテンツ配信を行う際、コンポーネントコンテンツ管理システム(CCMS)を利用すると、どのような効果が得られ、コンテンツの再利用を進めることができるのでしょうか。まず最初に、ここで言う「コンテンツの再利用」とはどのような意味なのか、詳しく説明していきましょう。
〈目次〉
1.オムニチャネルでの配信における「コンテンツの再利用」とは?
2.オムニチャネルでのデジタルエクセレンスにおけるギャップ
3. CCMSを活用してギャップを縮める方法
4.グローバル製薬におけるCCMS活用メリット
1.オムニチャネルでの配信における「コンテンツの再利用」とは?
メールの一斉配信によるマーケティングからソーシャルメディアによるキャンペーン、来院(対面およびオンライン)まで、患者が情報をどのように受け取りたいと考えるのかは、人によって大きく異なります。
オムニチャネルでのコンテンツ配信とは、どのような経路であっても情報は1カ所から発信され、エンドユーザーが一貫した体験を得られることです。これはエンドユーザーへの情報経路が多様で関連性がないように感じられても変わりません。 このおかげで製薬会社は、配信時点で最も新しい患者情報をコンテンツに追加することで、個人に最適化された体験を創出することができます。ちょっと複雑な話だと感じられましたか?
それでは、仮想のシナリオに基づいて詳しく解説していきましょう。
あなたの会社が新薬を発売する予定で、そのメリットをターゲットとする顧客に知ってもらい、購入してもらいたいと考えているとしましょう。潜在顧客は、その新薬が自分に適合しているのか調べたいと思うはずです。
ある患者はGoogleで検索して、様々なウェブサイトがその新薬についてどのように評価しているのか調べるかもしれません。そしてソーシャルメディアにあるあなたの会社のページを訪れ、その新薬について会社側がどう説明しているのか、また実際に使った患者がどのように評価しているのかを確かめるかもしれません。こうした調査を経て、患者は医療機関を訪ねてさらに質問を重ね、専門家の意見を求めるでしょう。
こうしたオンラインとオフラインの両方でのコミュニケーションが、製品に関するその患者にとって固有の顧客体験につながります。だからこそ、すべてのプラットフォームに配信され人々に届けられる情報は、すべて一貫していることが不可欠なのです。
2.オムニチャネルでのデジタル化におけるギャップ
製薬会社の多くはオムニチャネルでの戦略が将来的に必要になることを認識していますが、現時点で既に実践している企業は多くはありません。Indegeneが12項目のメディカルアフェアーズのデジタル化について15社を対象に調査を実施し、2021年のレポート「Digital Excellence for Medical Affairs」にまとめています。その調査結果を見てみましょう。
図1:世界規模でのメディカルアフェアーズのデジタル化の状況
図1からは、調査対象となったすべての企業が「最も影響が大きい」と考えている(「すでに導入している」か「計画中」の合計が100%)メディカルアフェアーズの5項目のデジタル化のうち、オムニチャネルでの戦略(グラフの下から3番目)が既に導入済みの企業は、全体のわずか27%にすぎないことが明らかになっています。つまり、残りの73%はオムニチャネルでの戦略の重要性を理解していながらも、どのように導入すればいいのかわからずにいるのです。
この調査結果からは、デジタル化におけるギャップの存在がうかがえますこの結果から、患者やエンドユーザーのエンゲージメントと一貫性を最大化するために、企業にはもっとできることがあるはずだと認めざるを得ないでしょう。
ここまでの説明で、コンテンツの再利用やオムニチャネルでの世界規模のコンテンツ配信、そしてデジタルエクセレンスのギャップの存在について、ある程度は理解できたと思います。それではここからは、CCMSによってデジタルエクセレンスを円滑に進めていく方法について説明していきましょう。
3.CCMSを活用してギャップを縮める方法
コンポーネントコンテンツ管理システム(CCMS)を活用することで、これまでファイル内に固定されていたコンテンツの一部(またはコンポーネント)を保管、管理、追跡できるようになります。ここで先ほどの事例に戻りましょう。CCMSやオムニチャネルの戦略を持たない組織の場合、以下のようなコンテンツ管理の流れになります。
- マーケティング担当者がWebページのコンテンツを作成し、WebチームのメンバーがそのコンテンツをWebページに追加。
- 別のマーケティング担当者かマーケティング会社が、SNSに投稿する記事を作成。
- 営業担当者がMicrosoft PowerPointのプレゼンテーションを事業開発チーム向けに作成。
- この医薬品のマーケティング用の説明が変更された場合は、先ほどの4人は説明を手動で更新する必要がある(変更されたことを4人が認識していると仮定)。
これに対して医薬品のマーケティング用の説明がCCMSで管理されている場合、その説明にリンクされている社内の全ファイルは内容が修正された時点で更新されます。しかも標準的なフォーマットで保管されているので、次のようなことが実現できます。
- ボタン1つで公開可能な状態のWebページが生成される(情報をインターネット検索して探す患者向け)。
- 2つ目のボタンを押すと、SNSに投稿する記事が作成される(SNSを見ている患者向け)。
- 3つ目のボタンを押すと、Microsoft PowerPointのプレゼンテーションが生成される(医療機関向け)。
このシナリオにおいては、3つのデジタルアセットの変更と更新を1人でこなすことが可能です。
4.グローバル製薬におけるCCMS活用メリット
グローバル製薬企業はCCMSを活用することで、次のようなメリットが期待できます。
- 規制に準拠したレビュー機能:CCMSは電子署名と電子記録に関する規則「21 CFR Part 11」に準拠しています。使いやすさと電子署名への対応、正確な監査証跡の機能により、規制に準拠したレビューを提供します。
- バージョンの管理:CCMSにはアクセス権限の管理機能が搭載されており、規制準拠においてリスクになりうる承認済みコンテンツの変更を防ぐことができます。
- ワークフローの簡素化:CCMSはワークフローを簡素化して効率を高めると同時に、大量のコンテンツを手作業で更新する際にミスの誘発につながる手順を減らすことでリスクを軽減します。
- 正しい情報の一元化:CCMSを使うことで、メディカルアフェアーズのスペシャリストはコンテンツを1カ所で作成し、更新することができます。つまり、将来的に規制が変更されても、追加のシステムやアドオンを購入することなく、古いコンテンツを新しい規制に準拠した内容に更新できるようになります。
オムニチャネル戦略の新たなアプローチを求めているメディカルアフェアーズのスペシャリストに対し、CCMSはデジタルエクセレンスにおけるギャップを縮める多くのメリットを提供できます。
CCMSが、いかに効率的な情報配信やコンプライアンス面でのリスク軽減、ユーザーに最適化されたコミュニケーション手段の提供を実現するのか詳しくお知りになりたい場合は、ぜひご連絡ください。どんなご質問にもお答えいたします。
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